第3回
学校の視力検査で「要受診」と言われたら眼科受診から始める、子どもの正しいメガネ選び
学校の視力検査で「視力が低下している」と言われても、日常生活で困っている様子がなければ、「まだ大丈夫なのでは」と考えてしまうことがあるかもしれません。
しかし、視力が下がっている原因が必ずしも近視とは限りません。
子どもの目の状態を正しく知り、必要な治療やメガネにつなげるためには、眼科医療機関で診察を受けることが大切です。
◆視力検査だけでもいい?眼科受診の重要性
<高橋先生>
学校の視力検査で視力が1.0未満の子には眼科医療機関の受診勧告が出されますが、受診勧告をされても眼科を受診しない子が約3分の1います。受診しない理由として「時間がない」「日常生活を送るうえで不便を感じていない」「学習上不便を感じていない」など、保護者の都合や自己判断によるものが非常に多いのが現実です。
一般的に視力検査で視力不良と言われると、近視と思いこむ人が多いのですが、視力低下の原因には近視以外にもさまざまな異常や疾病があります。これらは眼科医療機関で精密検査を受けて、視力不良の原因を見つけなければ視力の改善はできません。保護者が都合よく「大丈夫だろう」と自己判断して手遅れにならないように、しっかりと眼科医療機関を受診して、子どもの目の状態を知ることが必要です。

ーー視力検査は、子どもにもできるのでしょうか?

<高橋先生>
はい。年齢に応じた視力検査があります。大人が行う視力検査は、多数の視標が配列された視力表を用いますが、これを「字づまり視力」といいます。子どもは3歳頃になると視力検査ができるようになりますが、脳の発達が未完成なので読み分け困難の現象があります。そのため、視機能が完成する6歳頃までは、視標を1文字ずつ示して測定する「字ひとつ視力」を用います。
近年、眼科医や幼稚園などでは、私が考案した「たべたのだあれ」という視力検査方法がよく使われています。これは小さい子どもにとってわかりやすいだけではなく、ゲーム感覚で行えるため、短時間で集中して正確な視力検査ができると幼児教育現場で好評いただいています。
また、通常の視力検査は片眼視力を測定しますが、日常生活では両眼を使っています。そのため、両眼の視力を知ることも重要です。片眼ずつの視力が同じであれば、両眼視力は10%程度よくなります。片眼の視力が違う場合は、両眼視力はよいほうの片眼視力になります。両眼視力検査により、潜伏眼振や斜位近視の発見に繋がることもあります。
眼科医療機関を受診することは、子どもの目の健康を守ることにつながります。そんなに重く受け止めすぎず、正しい視力を知るためにも前向きな気持ちで受診してみてほしいなと思います。
◆医療機関を頼って子どもの目の健康を守ろう

<高橋先生>
子どもを日ごろからよく観察し、視力不良のサインがあれば早めに眼科医療機関を受診してください。学校から受診を勧告された場合も、保護者が自己判断せずに「子どもの眼の健康を守る」ために受診をしてほしいと思います。

高橋先生のインタビューと併せて、今回は眼科受診で正しい目の状態を知り、オグラ眼鏡店のこどもメガネブランド「アンファン」で最適なメガネ選び体験をした古澤さん親子に密着しました。
【まとめ】
子どもの目の健康を守る第一歩は、「今どのように見えているのか」を正しく知ることです。
健診や学校の視力検査で受診を勧められた場合は、「困っていないから大丈夫」と自己判断せず、眼科医療機関を受診しましょう。
そして、メガネが必要と診断された場合には、処方内容に合ったメガネを選び、正しく掛けられる状態を保つことが大切です。
日頃からお子さまの様子をよく観察し、少しでも見え方に気になることがあれば、早めに専門家へ相談しましょう。
【監修者プロフィール】
高橋 ひとみ 先生
桃山学院大学名誉教授。健康教育学を専門とし、長年にわたり近見視力をテーマとした研究に取り組む。
2015年には、幼児向けの視力検査キット「たべたのだあれ」を考案し、「第9回キッズデザイン賞」および「2015年経済産業大臣賞」を受賞。著書に『3歳からできる視力検査』『たべたのだれかな』『はっきりみえているかな?』など。
記事作成:2025年2月14日